国際大会

【デフリンピックについて】

身体障害者のオリンピック「パラリンピック」に対し「デフリンピック(Deaflympics)」は、ろう者のオリンピックとして、夏季大会は1924年にフランスで、冬季大会は1949年にオーストリアで初めて開催されています。障害当事者であるろう者自身が運営する、ろう者のための国際的なスポーツ大会であり、また参加者が国際手話によるコミュニケーションで友好を深められるところに大きな特徴があります。

なお、デフリンピックへの参加資格は、補聴器をはずした裸耳状態での聴力損失が55デシベルを超えている者で、各国のろう者スポーツ協会に登録している者とされています。また、競技中に補聴器を装用することは禁止されています。これは身体の安全を確保する観点によるものです。

デフリンピックを運営する組織は、国際ろう者スポーツ委員会(International Committee of Sports for the Deaf)で、1924年の設立以来、デフリンピックやろう者世界選手権大会の開催、そして各国のろう者スポーツの振興など、着実な取り組みを続けています。現在の加盟国は94カ国です。

【パラリンピックとデフリンピック】

国際パラリンピック委員会(International Paralympic Committee)が1989年に発足した当時は、国際ろう者スポーツ委員会も加盟していましたが、デフリンピックの独創性を追求するために、1995年に組織を離れました。そのために、パラリンピックにろう者が参加できない状況が続いています。なお、デフリンピックの独創性とは、コミュニケーション全てが国際手話によって行われ、競技はスタートの音や審判の声による合図を視覚的に工夫する以外、オリンピックと同じルールで運営される点にあります。また、パラリンピックがリハビリテーション重視の考えで始まったのに対し、デフリンピックはろう者仲間での記録重視の考えで始まっています。しかし、現在は両方とも障害の存在を認めた上で競技における「卓越性」を追求する考えに転換しています。

【日本ろう者水泳協会とデフリンピック】

水泳競技は1965年の第10回ワシントン大会に初参加し、1977年の第13回ルーマニア大会で初のメダルを獲得できました。以来、2013年の第22回ソフィア大会までのべ31名の選手が派遣して21個のメダル、51個の入賞を獲得しております。

2017年に第23回トルコ・サムスン大会が行われます。当協会はさらなるメダル獲得に向けて強化事業に力を入れております。

【デフリンピック以外の国際大会について】

デフリンピック以外に世界ろう者水泳選手権大会とアジア太平洋ろう者競技大会があります。デフリンピックと同じく4年ごとに開催されます。世界ろう者水泳選手権大会は第2回大会(2007年・台北)から、アジア太平洋ろう者競技大会は第5回大会(2000年・台北)から参加しており、数々のメダル、入賞を獲得しております。